山がない

実はイギリス(イングランド)には山がない。

ここで暮らし始めるまで知らなかった。
というか、山がないなんて、山がない暮らしがあるなんて考えてみたことも想像してみたこともなかった。

 

私は山も海もある所で生まれ育った。
山に山菜を採りに行って天ぷらにして食べたり、滝つぼまで散歩したり、夏は学校の後友だちと毎日海で泳いでいた。
小学校の遠足は「登山」だった。

なので私にとって毎日の生活の中に「山」と「海」はセットであるのが当たり前で、今まで引っ越しをしてもそういう所を好んで住んでいたように思う。

 

今暮らしている所も海のすぐそば。
ただ、山は全くなく、なだらかな丘陵がどこまでも続いている。

↓イギリス南海岸で一番高い場所、Golden Cap からの眺め



 

丘の上などに立つと、見渡す限り山が1つもないので、なんだか地図の上にいるような感じがする。
子どもたちもよく小さい頃は「なんか地球儀の上にいるみたい!」と言っていた。地球ではなく、ツルっとした凹凸のない地球儀。



イギリスは山がないので、日本のように「日本海側は大雪で太平洋側は快晴」という現象がない。

南が雨なら北も雨。
北が大嵐なら南も大嵐。

雲の行く手を遮るものが何もない。

 

ここで暮らし始めてもう18年になるが、周りを見渡すとずーっとずーっと先の地平線がいつも見えるので「本当にイギリスって山がないんだな!」といまだに思う。
遠くで咲いている菜の花畑の鮮やかな黄色がここからでも見えたり、車で行くと1時間くらいかかる街がここの丘の上から見える。
日本では味わうことがなかった広がりや奥行きを感じる。


こんな周りに何もない場所で生まれ育っていたら、また違った感性を持って大人になったのだろうな、と思う。

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